土地活用の利回りの基礎知識|きちんした資金計画が大切

利回りを知って理想との土地活用

株式投資やFXといった資産運用の種類は多く、土地活用も資産運用の一つです。近年は不景気という経済情勢の背景があることから、本業以外に資産運用で収益を得る人も増えています。

どのような資産運用にも少なからずリスクは伴いますが、将来的な収益から利回りやリスクを考慮して、理想の土地活用をすることが成功に繋がります。

これから土地活用を検討している場合、土地活用の利回りやリスクに対する知識を深め、納得できる活用方法を選択しましょう。

土地活用の利回りの種類と計算方法

利回りとは投資額に対する利益の割合のことで、1年での投資額に対する利益の割合を指している利率とは異なります。利回りには、表面利回りと実質利回りという2種類があり、それぞれ意味が異なります。

「表面利回り」で土地活用の概要を知る

利回りとは投資額を回収するための効率を示す数値のことで、表面利回りはおおまかな利回りを算出する際に用いられます。土地活用の場合、初期投資額に対する表面利回りを算出することで、より効率の良い活用方法を選ぶ際の目安となります。

表面利回りの算出は、年間の収入を初期投資で割って100を乗じたて求められ、100%の稼働率でランニングコストを除外しているため、見かけは高い利回りになることが特徴です。

一つの目安として表面利回りが10%を超える場合、活用方法に対する価値が高いと判断できます。表面利回りはあくまでも目安の数値であるため、実際に活用方法をスタートさせてみないとわからないのが現状です。

「実質利回り」で資産運用の計画を立てる

実質利回りとは、初期投資額に加えて諸経費などのランニングコストや稼働率も考慮に入れた利回りの計算方法で、実際に土地活用をスタートした場合に近い利回りを示す数値です。

実質利回りの算出は表面利回りよりも複雑で、以下のような方法で求められます。

実質利回り(%)={(年間収入-諸経費)÷(物件価格+初期の諸経費)}×100

例えば、アパートやマンション経営を想定した場合、物件価格にあたる家賃収入がアップすることで、実質利回りもアップします。一つの目安として実質利回りが5%を超えない場合、活用方法に対する価値が低いと判断できます。

利回りだけで土地活用を選んではいけない

土地活用の方法を選択する際には、表面利回りが参考になりますが、実際に稼働した場合の実質利回りとは異なるため、表面利回りだけで活用方法を判断するのはリスクが高いと言えます。

利回りは下がるリスクがある

実質利回りを算出する際に用いられる年間収入や諸経費は、一定の金額だとは限らず、時と場合によって変動します。アパートやマンション経営を例にすると、空室や修繕費、リノベーション費などで利回りは低下します。

立地条件が良く、安定した入居者の確保が見込まれていても、周辺環境の変化で空室が増える可能性もあります。また、建物の老朽化による修繕費や、新たな入居者を確保するためのリノベーション費が高額になると、利回りの低下に繋がります。

このように利回りが下がると、建物を建てる時に借り入れたローンの返済に影響を及ぼし、借入額と収益で相殺できない可能性があるため、収益とランニングコストのバランスの取り方が大切です。

利回りの良さと収入は別物

活用方法に対するおおまかな利回りを示す表面利回りと比較して、実際に活用をスタートさせた際の利回りを示す実質利回りは、今後の経営に対する影響が大きいと言えます。

しかし、実質利回りが高い場合でも、投資費用が小さければトータルの収入は少ないのが現状です。例えば、実質利回りが10%の場合、初期投資額が10倍異なれば収入も10倍異なります。

そのため、実質利回りの良さだけに囚われず、初期投資額とのバランスを考慮することが大切です。

目的別おすすめ利回りの土地活用法3選

表面利回りが10%を超える場合、効率的な活用方法と判断する目安となり、実質利回りが5%を超える場合、収益性が高いと判断する目安になります。

このようなことから、ここでは利回りの良いおすすめの土地活用を3種類ご紹介します。以下の表では、活用方法の内容とメリット・デメリットについてまとめています。

活用方法 内容 利回り メリット デメリット
駐車場経営 時間単位や月単位で料金を設定し、駐車場を貸し出す方法。 実質利回り15%以上

 

・初期費用が少ない
・転用しやすい
・大きい収益は期待できない
・税制の優遇措置が適用されない
アパート経営 部屋を入居者に賃貸で貸し出す方法。 ・郊外や地方の新築で7~8%
・土地持ちの新築で18~20%
・高い利回りが期待できる
・一括借用制度で空室対策できる
・金利の上昇による借入額の増幅
・建物の老朽化によるコストが高額
太陽光発電 太陽光発電で発電し、売電して収益を得る方法。 実質利回りは5~10% ・長期的に買取価格の保証
・立地や土地の形に影響されにくい
・収入減のリスクが少ない
・初期投資額がかかる

早期資金回収で次の土地活用がしやすい駐車場

コインパーキングなどの駐車場経営は、初期費用が少なく、比較的スタートしやすい活用方法の一つです。この方法は実質利回り15%以上を期待できるため、決して大きい金額ではありませんが、立地条件が良ければ安定した収益も期待できます。

月極駐車場の場合、初期費用が数十万~数百万円と低く、更地を舗装しているだけなので別の土地活用も転用しやすく、撤去費用が安いことがメリットです。

また、運営会社と契約期間中であっても、事前予告すれば容易に契約を終了できます。ただし、高い料金設定はできないため、収益は他の土地活用より少ないことがデメリットです。

活用方法によっては、固定資産税などの優遇措置が適用されますが、駐車場経営では相続税評価は更地と同じであるため、減価償却費も少ないことから税金の優遇措置は期待できません。

利回り維持のサポートがあるアパート経営

アパート経営は最も一般的な活用方法の一つで、実質利回りは郊外や地方の新築で7~8%、土地持ちの新築で18~20%と高い利回りが期待できます。

アパート経営には空室リスクが伴い、空室の数が多いほど実質利回りへの影響が大きくなります。しかし、空室対策として一括借用制度があるため、アパートの管理を業者に委託することでリスクを減らすことができます。

自己資金が少ない場合でも、投資ローンの利用で資金調達しやすい一方で、ローンを借り入れている期間に金利が上昇すると、総支払額が増えてしまうデメリットがあります。

また、建物の老朽化により家賃を下げる必要性が生じることや、修繕やリノベーションに多額に費用がかかる可能性もあります。

買取価格保証で運用計画が立てやすい太陽光発電

太陽光発電は、限りある資源に頼ることなく新たなエネルギーを生み出す方法で、実質利回りは5~10%です。再生可能エネルギーの固定価格買取制度により、10~20年は買取価格の保証があるので安心です。

この活用方法は駐車場経営やアパート経営と異なり、空きによる収入減のリスクはありません。また、一定数のソーラーパネルが設置できる面積で日当たりが良ければ、立地や土地の形に影響されにくい方法です。

ただし、元の土地が農地の場合、農地法による規制のため、転用の手間がかかることに加えて、更地よりも不動産としての流動性が落ちることがデメリットです。

駐車場経営をスタートする場合、舗装や機械の設置程度の準備で良いので初期投資額は少ないですが、太陽光発電をスタートする場合、ソーラーパネルやシステムの導入に多額の費用がかかります。

利回りの高さだけで土地活用法は選ばない

土地活用の方法を選択する際には、目的の明確化や土地に見合った方法の選択が重要です。しかし、安定した収益がなければ赤字となり、負債を抱えることになりかねません。

また、利回りも活用方法を選択する指標の一つですが、実際に活用をスタートさせてみないと、どの程度の利回りになるかわからないのが現状です。

そのため、利回りの高さだけで活用方法を選択するのではなく、目的や資金を考慮して、無理のない活用方法を選択しましょう。