土地売買の流れを知ってスムーズに売却をすすめよう!

流れを把握してスムーズに土地の売却をする

土地の売却を考えているけど、どんなことから始めればいいか分からない、そんな人はまず今後の土地売却の流れを知ってみましょう。土地売却は売り始めたらすぐ終わるわけではなく、査定から引き渡しまでさまざまな手続きを踏むため、長期間の対応が必要になります。

本当に売りたい時期を逃さず、スムーズに売却するために、今回は目安となる期間も合わせて土地売却の流れを解説します。また土地の個人売却を検討している人は、個人売却の注意点と一般的な流れを知っておきましょう。

土地売買の流れ

まずは土地売却の流れと期間の目安を、一覧で見てみましょう。

流れ 期間の目安
土地を査定する 1~4週間
仲介業者を決定する
土地を売り出す 1~3ヵ月
買主と条件交渉
売買契約成立 1~2ヵ月
土地を引き渡す

注意点として「土地を売り出す~買主と条件交渉」までの期間は、これ以上にかかることもあります。また土地の引き渡しも、買主側のローン審査など手続きの兼ね合いで、最低でも1ヵ月以上かかります。売買契約が無事に結べても、すぐには売れないのです。

実際の流れについて具体的に見ていきましょう。

土地を査定する

土地の査定の種類は「机上査定」と「訪問査定」の2つです。机上査定は、売り出し事例や取引事例など、これまで実際に行われた取引データを基にした目安の査定です。概算であることから、立地の良さなど個別情報が反映されにくい一方で、複数社の査定を一度に受けることができます。

訪問査定は、仲介業者が直接土地を訪問して、机上査定の情報と現地周辺の状況も踏まえて算出する精度の高い査定です。この訪問査定も、複数社の査定を受けてそれぞれ価格や評価基準を見比べていきましょう。仲介業者を決定するときに役立ちます。

また土地の正確な広さが分かっていることはとても重要で、万が一土地の測量が行われていない、あるいは隣接する土地と境界線が決まっていない場合は、測量を行う必要があります。書類上では1坪1万円50坪の土地として契約・売却したのに、買主が後で調べたら実は45坪だったと判明した場合、裁判や賠償を求められます。

仲介業者を決定する

訪問査定を受けたら、正式に土地の売却を依頼する仲介業者を決めましょう。仲介業者を決めるポイントは、次の3つです。

  • 土地の売却が得意な仲介業者である
  • 訪問査定額の根拠をきちんと解説してくれる
  • 今後の売却計画が明確

こうしたポイントをクリアして、仲介業者の営業担当者とも相性が良さそうであれば、仲介業者を1つに絞って契約を結びます。これを媒介契約と呼び、3種類の中からどれか1つを選んで契約します。3種類の媒介契約の特徴は、下記の表の通りです。

ポイント 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
2社以上の不動産と契約できるか × ×
自分で買主を見つけて直接契約できるか ×
不動産会社からの活動報告の頻度 法令上の定めはない 2週間に1回以上 1週間に1回以上
不動産会社のレインズへの登録義務 法令上の定めはない 媒介契約から7日以内 媒介契約から5日以内
契約期間 法令上の定めはないが行政指導では
3か月以内
3か月以内 3か月以内

たとえば、市街地にあり宅地として高値がつく土地は一般媒介契約で複数の会社に依頼することで競争が生まれ、査定額がアップする場合があります。一方、売れにくい土地は専属専任媒介契約できめ細やかな売り込みの方が効果が出るかもしれません。土地の特徴に合わせ、契約を選びましょう

この契約も、無料で行ってもらえるわけではありません。仲介業者に対し、売主側は仲介手数料を支払う必要があります。仲介業者へ支払う仲介手数料は、法律上の上限額が定められています。反対に、下限(必ず支払うべき額)は定められていません。

高額過ぎる仲介手数料が請求されていないか、しっかりチェックすることも大切です。上限額を求める際の計算式は、売却金額に応じて異なるため、売却金額が決まった時点で計算しておきましょう。なお、以下の計算式は税別です。実際に支払うときは、消費税がかかることを忘れないようにしましょう。

売却金額 計算式
200万円以下 売買価格×5%
200万超400万円以下 売買価格×4%+2万円
400万円超 売買価格×3%+6万円

土地を売り出す

仲介業者が決まったら、土地の売り出し価格を設定しましょう。売り出し価格は、その後の土地の売れ行きに影響します。相場より安いと損をしますが、相場より高ければ購入希望者が現れない原因です。そのため、仲介業者と話し合い、売り出し価格と理想価格、最低価格の3つを決めていきます。

売り出し価格も決まり、仲介業者との手続きが済んだところから、販売活動が開始されます。チラシのポスティングやインターネット上のサイトへの情報掲載、不動産流通機構(レインズ)へ情報を登録するなど、活動内容はさまざまです。

不動産流通機構(レインズ)

国土交通大臣の指定を受けた全国4つの公益社団法人や公益財団法人が運営する、不動産の情報交換システムです。登録しておくと、情報を全国各地の不動産会社が適切な顧客に提案してくれるため、土地が欲しい人へ情報を発信できるというメリットがあります。ただし登録できるのは、不動産流通機構会員の会社だけです。

買主と条件交渉

広告活動が始まると、購入希望者が土地の見学にやってきます。基本的に売主の立ち合いは不要で、案内は仲介業者が代わりに行ってくれます。ただし土地の状態が草だらけで荒地状態だと、印象が悪くなるため、必要に応じて手入れをしておきましょう。

見学後、購入の意思が固まれば、購入希望者から購入申込書という書類が提示されます。これを売主側が仲介業者と確認しつつ、具体的な売却価格、どう支払うのか、具体的にいつ引き渡すのかなど、売買契約に関連したさまざまな条件を決めるのです。ただし、仲介業者が交渉・調整してくれます。

売買契約を締結

売買条件が合意したら、売買契約を結びます。ここで初めて、買主と売主が顔を合わせることがほとんどです。直接対面する場所やいつ行うかは、仲介業者側が調整してくれます。ここで双方の合意が得られれば、不動産売買契約を締結します。

ここで使用されるのが、重要事項説明書です。売買代金をどう支払うか、契約を解除する際はどうするかなど、重要な取り決めが記載されています。基本的に、この日より前に重要事項説明書の確認ができるため、なるべく早めにチェックして売主側に過不足なく情報を伝えられるようにしましょう。

またこの時、買主は売主へ価格の10~20%程度の手付金(契約金)を支払います。この契約金の額は、売主側が仲介業者と話し合って決めておきます。一方で売主側も、仲介業者へ契約締結後に仲介手数料の半額分を渡すのが一般的です。

土地を引き渡す

引渡し手続きは売買代金を受領すると同時に登記申請(所有権の移転など)を行います。こうした法的な手続きは早めに行い、トラブルを作らないためにも、司法書士に依頼するのが一般的です。ローンがある場合は残高を返済し、抵当権という金融機関が設定した返済が滞った場合の売却権利を抹消します。

ここで未確認の問題があると、売却後に瑕疵担保責任(告知していなかった不具合に対する責任)を問われます。買主や仲介業者と共に現地立ち合いを行った上で、詳しい情報が不足している土地であれば、土地家屋調査士などに依頼し十分に確認を行うことも必要です。

また引っ越しを伴う場合は、引き渡しの義務を期日までにできないと、責務不履行で処理され違約金が発生します。くわえて成果報酬である仲介手数料の残りの半額を、この引き渡し時に支払うのが一般的です。必要な出費だけに留められるよう、綿密に条件や取引内容の確認を行いましょう。

買い替えの土地売却の場合

買い替えに伴う土地売却は、2つのタイミングが考えられます。それぞれメリットとデメリットがあるため、きちんと比較して自分に有利な売り方をしましょう。

売却してから買い替え先を探す

売却額を新居の購入費に充てたい場合、こちらの買い方が当てはまります。メリットにあるように、資金計画が立てやすいからです。しかし希望の新居が期間内に見つからなかった時は、見つかるまでの間は仮住まいが必要になります。あらかじめ、仮住いの出費の可能性があるスケジュールも立てておきましょう。

メリット デメリット
・資金計画が立てやすい
・売れなかったらどうしようという心配をしなくてよい
・購入の進行状況によって現在の住まいの引き渡し時期を調整する必要がある
・場合によっては一時仮住まいを用意する必要がある

買い替え先を購入してから売却する

たとえば進学や転勤で、いつ引っ越すかが決まっているのであれば、新居を購入してから売却するのも手です。売却を後回しにしても問題がなければ、焦らずに新居探しが可能です。一方で、資金面での負担が大きく、ローンを2つ払うことになるほか、売却が上手くいかないと失敗してしまいます。

メリット デメリット
・じっくり物件を選べる
・住むところが決定していて安心感がある
・ある程度余裕のある資金計画を立てる必要がある
・新居と旧居の二重ローンになってしう可能性もある

個人でも土地の売却は可能なのか

たとえば親戚や家族に土地を欲しがっている人がいる場合、その人に売ることは可能なのでしょうか。個人での土地の売却について、注意点と流れを解説します。

個人でも売却は可能だが素人には難しい

仲介手数料は土地の売却額に応じて高くなり、時には「もったいない」と感じるほど高額になります。たとえば3,000万円なら「売買価格×3%+6万円=約96万円」です。しかし自分で売買を行えば仲介業者を挟まないため、仲介手数料は発生しません

しかし個人売却が一般的にならないのは、次のような理由があるためです。

  • 自分で買主を見つけなくてはいけない
  • トラブルが起こっても全て自分で処理をしなくてはいけない
  • 書類等を自分で作成しなくてはいけない
  • レインズに登録できない

不動産売買の書類は専門的なものも多く、かつ時間をそれだけに割くわけにもいきません。また第三者が間に入らないために「言った」「言わなかった」の水掛け論も良くあります。ありがちなトラブルとして書類の漏れや不備、重要事項説明の不備があります。

また仲介業者によっては、瑕疵担保責任を業者側が負ってくれる場合もあります。個人で取引する場合は、瑕疵担保責任は慣例上10年間課せられます。仲介売却であれば、長くて1年、通常は3ヵ月以下ということから考えると、非常に長い期間で売主側のデメリットが多いです。

さらにレインズという、全国の不動産会社がアクセスできる総合情報サイトへ、個人では土地の情報を掲載できません。その点で、宣伝活動が不利になります。こうした問題が解決できて、個人売却の方がメリットや利益が大きい場合には、選択肢としてじっくり検討してみましょう。

個人間での売却方法と流れ

個人間で売却を行う場合の流れも、不動産仲介業者と大きくは変わりません。しかし自分で行うことが非常に多く、法律上守るべき内容も土地によって異なるため、あくまでも一例です。

流れ ポイント
1.売却したい土地を相場を調査 不動産一括査定サイトなどを活用し、相場を調べます。
2.図面や資料を準備 自分で資料を製作します。資料無しの取引は違法であるため、早めに行いましょう。
3.売却価格の決定・広告を出稿する 買主が決まっているのなら、事前に話し合うのもおすすめです。第三者に向けて売り出す場合は、広告などを作る必要があります。
4.現地確認や問い合わせの対応をする 問い合わせ対応のためにも、早めに現地の状況を確認しましょう。この時、土地の測量が済んでいなければ業者へ依頼する必要があります。
5.買主候補と価格の交渉 価格交渉次第では、取引が失敗してしまうこともあります。個人売買で一番大きな関門です。
6.契約書など諸書類を作成 個人売買は口約束がトラブルのもとになります。話した内容をメモし、可能な限り書面で残しましょう。
7.契約・決済・引き渡しを行う 契約が完了したら、決済と引き渡しを同意の日時に行っていきます。
8.アフターフォロー 引き渡し後に土地に欠陥があった場合に、対応・賠償金などの支払いを行います。

トラブルを未然に防ぎ、こうした諸々の手続きを安全に行うためにも、初めて土地を売却するのであれば仲介売買の方が安全ではあります。自分自身で、どんな対応が最も良いか、しっかり考えましょう。

土地の売却は気になったら早めの行動を

今回解説したように、土地の売却は境界線の確定が必要だったり、価格交渉や条件交渉の期間も踏まえると、半年近くかかることも珍しくありません。土地の売却は気になったら、すぐに行動を開始することがとても大切です。

たとえば土地の測量が明確ではないことが早い段階で分かれば、いずれ売却する際にスムーズに売れるように用意することができます。買い替え先を探してから売却するなら、新居を探す時間を見越して売却準備をしていきましょう。